Oh Lately

アメリカ在住デザイナー先生のブログ

U S A

ナタル2日目。今日はアメリカ対ガーナの日。朝早く起きて走る。ナタルのビーチ沿いは素晴らしいランニングコースだ。途中で喉が渇いて水が飲みたくなったので、ツーリストポリスに恐る恐る入ると、冷たい水をくれた。ブラジル人の優しさが身に沁みる。
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走っていると大通りが土砂崩れにより閉鎖されている。海沿いの高級ホテルから上にあがったところのファベーラが土砂崩れを起こして家屋が倒壊している。これはブラジルのいたるところに見られる貧富の差が起こした悲劇だ。貧困から抜け出す術は皆無に等しい。だからサッカーが強いんだけとね。
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アメリカ対ガーナ戦のスタジアムはナタルの中心部にほど近いEstadio Das Dunasナタルの砂丘にインスパイアされた、現代建築のスタジアム。Recifeのスタジアムに比べるとアクセスが格段に良い。笑えるのは、いまだに絶賛工事中のところ。スタジアムのまわりの歩道橋は間に合わなかった上にスタンドはコンクリートの基礎の上に鉄製の仮設階段、その上に座席を設置している。
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アメリカサポーターの熱気は試合前から最高潮で、むき出しのナショナリズムでUSA!USA!と叫んでいる。だからと言って排他的な国粋主義ではなく、ガーナサポーターと笑顔で写真を撮ったり、応援合戦をしている光景は微笑ましい。対するガーナサポーターは少数ながら民族衣装に身を包み歌って踊って楽しそうだ。
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この試合は今大会随一の好ゲーム。開始1分も経たないうちにアメリカがデンプシーのゴールで先制。過去2回のワールドカップでガーナに敗退させられているアメリカにとっては願っても無いスタート。この日はクリンスマン監督の采配がとても冴えていた。前半の中盤から終盤にかけて守備のブロックを作りガーナに攻めさせ、カウンターアタックを狙う作戦。ガーナは終始攻めるがゴールをあげることができず、攻め疲れて体力を消耗した。これが後半に向けての伏線となる。
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アメリカは後半開始から攻勢に出る。1点のリードを45分間守り続けるのは困難なのでもう1点を取りに行くストラテジーだ。ガーナは後半に入りボアテング、エシエンと立て続けに世界クラスの選手を投入し、1点を取りに行く。そして82分、アユーの左足のアウトサイドでキーパーのニアサイドをぶち抜くゴールでついに試合を振り出しに戻す。ただこの時点でガーナは体力をかなり消耗しており、足が止まりスペースが生まれる。86分のブルックスのゴールはもはや必然で、会場を埋め尽くしたアメリカサポーターの歓喜が爆発する。結局2-1でアメリカの勝利。クリンスマン監督のゲームを読む力、プラン通りに試合を遂行する選手のインテリジェンスが高いレベルで融合した好チームだ。ポルトガルが2人のレアルマドリードプレイヤーを失ったこともあり、アメリカは絶好の位置につけている。

この試合展開は日本対コートジボワールにとても似ていた。アメリカがシチュエーションごとにチームとしてどういうタクティクスをとるかという意思統一ができていた。一緒に行ったアメリカ人の友達が羨ましい。ワールドカップに行ってしぶんが愛するチームの勝利を見ることがどれだけ素晴らしい体験かを間接的に経験したので今度は、日本もアメリカを見習ってギリシャ戦は絶対勝つぞ!