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アメリカ在住デザイナー先生のブログ

ギリシャ戦

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午後にちょっとホテルで休憩した後、タクシーでEstadio das Dunasに向かう。この日はワールドカップ4回目参戦のベテランサポーターのペコちゃんと合流して、スタジアム周りで国際交流をした。実はペコちゃんは「ハチマキ大作戦」というプロジェクトの首謀者だ。「ハチマキ大作戦」は日本の鉢巻を大量に持って行って、現地で配り、ブラジルのサポーターに日本を応援してもらうという試みだ。僕も、微力ながらLAのリトルトーキョーで鉢巻を50本ほど仕入れて持って行った(コートジボワール戦はスタジアムに持って行くの忘れた)。ハチマキは大人気で、瞬く間に捌けて行く。あまりにも需要が高いので、可愛い子供や女の子限定で配るが、近くにいる男たちにも迫られて、僅か10分ほどで完売。これはいろんな人との交流のきっかけになるので、とてもいいアイデアだと思う。
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今回は絶対勝たないといけない試合なので、自分のカテゴリー1(高い方の席)ではなくゴール裏(安い席)で声援を送る。日本人サポーターのボルテージは試合前から最高潮だ。この日のスタメンはコートジボワール戦から二人変更(大久保←香川、今野←森重)。序盤から日本がポゼッションを握るいい滑り出し。対するギリシャは堅い守りからカウンターアタックを狙う。前半にギリシャの選手が接触からのケガで交代、さらにギリシャの選手が長谷部へのファールで2枚目のイエローカードをもらい退場してしまう。ここからギリシャは完全に自陣に引きこもり防戦一方。日本はサイド攻撃からチャンスを作るも高さで中を固めるギリシャディフェンスに跳ね返されるばかり。
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後半に入って日本は遠藤ヤットを投入。ヤットが入ることによりパスがスムーズに回り始めるが、日本の選手は引いている相手に対してバックラインでのパス回しが多すぎる。隣にいたサッカーをあまり知らない女性が「もう、ちゃんと前行かなきゃダメじゃない!」と言ってたくらいだ。日本は後半に大迫に代えて香川を投入。香川のポジションチェンジとドリブルは多少の変化をもたらしたが、ギリシャは香川のプレーに対する分析ができているようで、落ち着いて対応していた。それでも日本は数度チャンスを作るが、決めきれずに0-0のスコアで無情にも試合終了のホイッスル。

リスク覚悟でバイタルエリアで勝負しないといけない、というのはよくある日本代表に関してよく言われることだが、今回のワールドカップを見ていて感じたのは、「やらない」のではなく「できない」のではないだろうか?他の国に比べて中盤でのボールロストが多すぎる。アジアレベルでは通用していた日本の華麗なパス回しが今大会では影を潜めているのは、なぜだろうか?中盤でのプレッシャーが強い世界の舞台ではちょっとのタッチの大きさ、パスの精度の悪さ、ポジショニングのズレですぐにボールを失う。今回の日本代表は基本技術が他国に比べて低いと思えてならないのだ。そういう意味ではこの問題の根は深い。
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例えば、日本の選手はワンタッチで振り向くプレーをしていたが、たまたまスペースに敵がいなかったら抜けるし、いたら捕まる。イニエスタだったらパスが来る前から敵と見方がどこにいるのかの空間認識が完璧にできているので、相手のいない方向を判断して一気にトラップから置き去りにする。世界一の選手と比べるのは酷のような気もするが、ワールドカップで勝つには選手も世界レベルになる必要がある。今後は日本代表にチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに常時出場する選手がでてきて欲しいと切に願う。
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ただ、サッカーには一方的に攻めまくってもゴールが入らないことは良くあることだし、ギリシャ戦でたくさん作ったチャンスのうち一つでも入っていたら勝ってたわけだし紙一重といえば紙一重なのだ。幸いにして日本が首の皮一枚で可能性を残しているのも事実。限りなく低い可能性なのは百も承知だが、この夢の中にいるという事実をもう少しだけ楽しもう。